滞在先のバルコニーから、 今朝は霧の深い深いフィレンツェです。 もう、なにしろ真っ白なのです。 ところで最近、というかずっと気になっていること。 現在私はグラフィックデザインのフリーランスとして仕事をしているわけですが、 居住、納税は日本です。 時々、仮にイタリアに移住してフリーランスの仕事をするとしたら? と考えてみたりします。 ネット上の情報や友人からの情報を総括すると、 合法的にイタリアに住んで働くということは、 普通に生活できるお金を得ることさえも異常に難しいということなのです。 なによりの理由は、恐ろしく高い所得税率です。 日本の確定申告では「収入」から「必要経費」を引いた 「所得」に税金が課せられますが、 イタリアではどうも「必要経費」がほとんど認められないようで、 ほぼ「収入=所得」となるらしいのです。 そしてそれに科せられる税率は 40〜50% … 換算すると、年間100万円単位が税金に消えるということ…?? 生活費を節減しても充分な預金ができるかどうか… (しかも銀行倒産保証も日本ほど確かでない感じで…これはもうどうしたことか) それだけならまだしも、その税制が複雑で、 突然覚えのない罰金が科せられることがあるというのです。 ちゃんと納税していない人の尻拭いだとかなんとか。 そんな不条理なことがあろうか! もし、ある日突然借金地獄に陥ったとしたら… しかも異国の地で… こうなったら預金どころの話じゃない、 考えただけでぞっとします。 しかしながらも、そんなイタリアに住んで、働いて、子育てもして、 普通に暮らしているひとはたくさんいるのです。 レストランで優雅に食事をしているのはほぼ観光客と断定してよいでしょう。 しかし、イタリア人も 8月のバカンスシーズンには海辺の街へこぞって移動し、 1カ月間まるっと優雅なロングバケーションを楽しむのです。 イタリアの一般企業に勤めていたとして、 その 1カ月分のお給料は出るにしても、 日本で働いた場合の平均年収の半分ほどで、 そんな貴族のような生活がどうしてできようか… 私にとってイタリアという国には、 奇怪極まりないことがまだまだ多いのです。 THE LANCER http://www.lancers.jp/magazine/27913 Made in Italy ーようこそ、私たちのイタリアへ http://www.italogiapponese.it/made_in_italy/mii1/roudou.htm
イタリアでは 8月24日に起きたアマトリーチェの地震以降、 近隣の街々で今でも地震が続いています。 私の滞在しているフィレンツェは、 10月末に数回、体感で震度2〜3の揺れがあった程度で特に被害はなく、 その後のニュースや新聞でその規模の大きさを知って驚くばかりです。 また、各方面からご心配のメールをいただきありがとうございます。 こちらは大丈夫です。 連日歴史的建造物が崩れ、家や仕事を失い嘆くひとの姿が報じられ、 なんとも痛ましく、心苦しく、人間の無力さを感じざるを得ません。 イタリアであれ日本であれ、地球上に住んでいる限り 自然の脅威には抗えないのだなと思うほかありません。 復興、復旧には想像を絶するほど時間がかかるだろうと言われているし、 もはやもとに戻すことはできないかもしれないけれど、 被害にあわれた方が早く、少しでも元気を取り戻せたらいいなと思います。